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今月の法話
大般若祈祷
 昨年は、東日本の地震津波、それに加えての原発事故さらに大雨の災害とたくさんの人々が苦しい目にあった年でした。 一日も早くもとの生活に戻られることを祈るのみです、しかし、亡くなった人は生き返ってはきません。 気仙沼中の梶原くんは、卒業式の答辞で「苦境にあっても天を恨まず、運命に耐え助け合って生きていくことがこれからの私たちの使命です」と述べています。
 私たちは生きている限り、苦悩がなくなることはありません。生きているうちの災難・老い・病み・そして最期に死がくることを誰も避けることはできないのです。 そういう自分自身でありながら、自分だけは災難には遇わないだろう、老いることも、病気になることも、そして死も他人事のように思って生活しています。
 しかし、それらのことは突然に前触れもなくやってきます。相田みつをさんの詩に「いのち」というのがあります。

アノネ  にんげんはね  あすの  いのちの
保障された者は  一人も  いないんだよ

 まさにその通りのことを、現実に知らされた一年でした。
 そういうあやふやな状況でありながら、なおもお金や財産名誉などに執着して生きて行こうとするのが人間です。
 「般若」とは「智慧」のことです。ものごとの真実を見据えるまなこです。私たちは、自分を中心に物事を考えます。 自分にとって利益になる人は「いい人」であり、損になる人は「悪い人」なのです。
 人生という時間はあっという間に過ぎ去っていきます。素晴しい人生を歩み、美しい生きた足跡を残すためには、 いつも心を磨き欲のよごれをつけないようにしなくてはなりません。 それは、うまく世渡りをしようという知識でなく、真実の生き方を目指す智慧が必要なのです。

 生き残っている私たちが、すばらしいきれいな世の中にすることが、 なくなった人々に対する最大の供養であると思います。


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